【施主への影響は?】4月からの「本足場の義務化」の背景と変更点を解説!
2024.05.29
2024年4月から、厚生労働省による「本足場の義務化」に関する新しい規制が施行されます。これにより、建設現場における足場の使用方法や管理体制が大きく変わります。
本記事では本足場の義務化の概要や、それによる変更点について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
そもそも「本足場の義務化」とは?
2024年4月1日から施行される労働安全衛生規則の改正により、建設現場での「足場設置」に関する新たな規制が導入されます。この改正により、幅が1メートル以上の箇所では、原則として本足場(ほんあしば)の使用が義務付けられます。
従来は”一側足場でもOK”だった
一側足場(ひとかわあしば)とは、建築物の外壁面等に沿って建地(支柱)を一列設置して組み立てる足場のことを指します。
狭いスペースや建物に近接した場所でも設置しやすく、コストが安く、設置も簡単というメリットがありますが、安全性が低く、手すりの設置が難しいため、転落事故が発生しやすいのが課題です。
一側足場については下記記事でより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
外壁塗装における「足場」とは?
足場とは、高所での作業を安全かつ効率的に行うための仮設構造物です。特に…塗装前必見!外壁塗装の「足場」について名称から費用相場まで詳しく解説!
4月以降「本足場の設置」が義務に
本足場とは、建築物の外壁面等に沿って建地(支柱)を二列設置して組み立てる足場のことを指します。
二側足場(ふたかわあしば)とも呼ばれ、足場の基本形として広く使われています。二本の支柱の間に作業板を渡すため、比較的広い作業面を確保でき、安全性や作業性が高いのが特徴です。また、手すりの設置も可能であり、墜落・転落災害の防止に優れています。
義務化の背景は「墜落・転落事故」を防ぐため
この法改正の背景には、建設現場における墜落・転落事故の多発が挙げられます。
建設現場で使用される足場は、高所作業を行うための重要な設備であり、安全性の確保が最優先されるべきです。しかし、一側足場は支柱が片側のみであるため、安定性に欠け、作業中にバランスを崩しやすい構造となっていました。その結果、多くの労働者が墜落や転落事故に巻き込まれ、深刻な怪我や命を落とすケースが後を絶ちませんでした。
本足場の義務化は、こうした事故を未然に防ぐための措置です。本足場は両側に支柱があり、作業床の安定性が高く、安全に作業を行うことができます。さらに、本足場の導入により、作業環境の改善や労働者の安全意識の向上も期待されています。建設業界全体が安全第一の意識を持ち、労働者が安心して働ける環境を整えることが、今後の建設業界の発展にとって不可欠だというわけです。
【施主への影響】義務化に伴い、足場代が値上げに
敷地面積にもよりますが、塗装における足場費用というのは、1㎡あたり600円から1000円が一般的ですので、見積もり額としては平均して約15万円〜20万円であることが一般的でした。
しかし法改正によって、一般的な敷地のお家であれば、約3万6千円ほど足場代が加算されます。(敷地面積が1メートル以上の場合、15万円程度の追加になることも)
【注意】義務化なため、例外的に安くできる業者はない
法改正により足場費用に対する見積もり額も上がってしまうわけですが、そもそもこの本足場の設置は「義務」なわけですから、例外的に「うちは従来の費用で対応できますよ!」ということはまずあり得ません。
もともと足場というのは、安全性だけでなく「事前点検・塗り残しチェック」を行うために不可欠ですから、丁寧な施工を行うには足場設置をおろそかにすることはできません。(当社も法改正に準拠した足場設置を行っています)
2024年4月以降「うちはこれまで通りの足場代で施工できますよ〜」と売り込む業者も増えるかと思いますが、むしろ足場代が従来のまま(15万円程度)、もしくはコストカットを提案されるようであれば、安売りを切り口にした悪徳業者の売り込みである可能性もあると覚えておきましょう。
当然すべての業者を”悪徳”と決めるべきではありませんが、もしこれまで通りの足場代で見積もりを渡された場合は、施主として「法改正後の見積もりになっていますか?」と確認するようにし、悪徳業者でないか?を自らチェックすることが大切です。
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足場設置は、質の高い施工に不可欠!
本記事でも解説したように、今回の法改正によって安全性が強化された反面、今後は足場に対する費用が増加します。これは法改正の影響のため避けて通れない内容です。
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