2024.04.30
【プロが教える】外壁塗装に使われる「フッ素塗料」とは?特徴や耐用年数、費用相場まで解説!
「フッ素塗料」とは?
フッ素塗料とは、蛍石(ほたるいし)を原料とするフッ素樹脂を配合した塗料で、卓越した耐久性と耐候性を実現した高性能塗料です。
その優れた特性から、高層ビルやマンションなどの大型建造物から一般住宅まで、幅広い用途で使用されています。住宅の外装においては、特に紫外線の影響を受けやすい屋根や外壁、シャッターなどに適しており、長期間にわたって美観を維持し、建物を保護することができます。
また、フッ素塗料には『油性、水性、1液型、2液型』などさまざまなタイプがあり、用途に応じて選択することが可能です。建築分野以外でも、航空機や調理器具など、多岐にわたる分野で活用されています。
近年では、一般住宅での使用が増加傾向にあり、高品質な外装塗装を求める方からの人気を集めています。初期コストは高めですが、メンテナンス周期が長く、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
フッ素塗料の『3つ』の特徴
1. 耐久性・耐候性が高く、紫外線などから外壁を守る!
フッ素塗料は紫外線、雨水、酸化、温度変化など、さまざまな外部環境に対する強い耐性を持っています。特に4フッ化型フッ素塗料は、これらの環境因子による変形や変色、劣化に強く、外壁をより長持ちさせられるのです。
2. 親水性が高く、雨水で汚れが落ちやすい
フッ素塗料はその「高い親水性」により、雨と共に汚れが流れ落ちやすく、外壁が汚れにくい低汚染性を実現しています。これにより、建物の外観を長期間にわたって美しい状態を維持しているのです。
3.その他、劣化を防ぐ高い機能性!(耐熱性・防藻性・防カビ性)
フッ素塗料は紫外線による熱から建物を守る耐熱性を持ち、夏場の外壁の温度上昇を抑制する効果があります。さらに、防藻性と防カビ性にも優れており、湿度の高い環境下でも藻やカビの発生を抑え、外壁の衛生状態を維持することができます。
フッ素塗料のデメリットは?
1. 他の塗料よりもコストがかかる
フッ素塗料は他の塗料に比べると、価格が若干高いのがデメリットでしょう。
同じ面積を塗装する場合、フッ素塗料はウレタン塗料やシリコン塗料と比較して大きくコストが上がります。一般的には、フッ素塗料の使用によって1平方メートルあたり約4,200円のコストがかかり、これはウレタン塗料やシリコン塗料の約1.6倍に相当します。初期投資としてまとまった工事費用が必要となるため、予算に配慮が必要です。
2. 耐久性が高い反面、塗り直しが難しい
フッ素塗料は塗膜が硬く、耐久性が高い一方で、再塗装時にはその密着性の低さが問題となります。
特に塗膜が耐久性に優れている場合、新たな塗料がうまく密着しないため、下塗り材を慎重に選ぶ必要があります。また、塗膜が硬いため、外壁にヒビが入った際には割れやすく、特別な下塗りや追従性を考慮した施工が必要になります。
3. 「ツヤを控えた外壁デザイン」には不向き
フッ素塗料はツヤがある製品が一般的で、ツヤ消しタイプは存在しません。そのため、和風建築物や周囲の環境にツヤのある外観が合わない場合には不向きといえるでしょう。
フッ素塗料の耐用年数は?
フッ素塗料の耐用年数は12年から15年とされており、一般的に使用されているアクリルやウレタン、シリコンと比較しても非常に長い期間です。これはフッ素塗料が持つ優れた耐候性によるもので、紫外線や雨風に強く、塗膜の劣化が起きにくいのです。
一度塗装の塗装で長期間メンテナンスフリーで美観を保つことができます。初期の投資は他の塗料より高くなりますが、その長い耐用年数を考えると、トータルコストの削減や長期にわたる外壁の保護効果を考慮する価値があるでしょう。
フッ素塗料での塗装の費用相場は?
フッ素塗料の費用相場は一般的な30坪の戸建住宅でフッ素塗料を全面に使用した場合、約100万円から110万円程度となります。
他塗料と比較して高価な塗料ではありますが、先に解説したように耐用年数は12年から15年と比較的長く、そのため塗り替えの頻度を格段に減らすことができます。初期の施工費用は高くても、長い目で見れば、その高耐久性により長期的なメンテナンス費用の削減が見込めるでしょう。
【まとめ】フッ素塗料は耐久性・耐候性が高く、耐用年数が長い!
本記事でも紹介した通り、フッ素塗料は耐久性・耐候性が高いため、劣化に強く耐用年数が長い塗料です。一方で他塗料よりも費用がかかるというデメリットもあるため、ご自宅の劣化状況をふまえて、塗る・塗らないを選ぶと良いでしょう。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、どの塗料での塗装が最適か?を判断・ご案内します。
また外壁劣化の相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、ご自宅の外壁メンテナンス(塗装・塗り替え)ならお気軽にご相談ください!
>>無料お見積り・ご相談はこちらから!
2024.04.30
外壁・スーパーセランフレックス 屋根・立平葺きカバー工法にて完成致しました
外壁塗装工事が完了し、外壁にはスーパーセランフレックスを、屋根には立平葺きカバー工法を採用しました。
外壁は3×10板にリシン仕上げが施されており、お客様からの長持ちするようにというご要望に応えるため、下塗りにセラトーシツプラス、上塗りにスーパーセランフレックスを使用しました。
リシンは、モルタル外壁の表面化粧材として用いられ、骨材に樹脂やセメント、着色剤などを混ぜたものを吹き付けて施工するため、表面がザラザラとした仕上がりになります。比較的安価な仕上げ材であるため、新築住宅によく使用されています。
玄関ポーチ柱はN-90(白色)をご希望でしたので、軒天にはN-80を使用し、ポーチ柱の色とのメリハリを付けました。色を変えることで、それぞれの部位の役割の違いを明確にアピールしました。
ポーチ柱とは、庇を支える柱のことを指します。
屋根は元々カラーベストを使用していましたが、築年数とこの先のメンテナンスを考慮し、カバー工法を選択しました。
カラーベストは、セメントと繊維を主材料とする瓦で、コロニアルとも呼ばれます。最も普及している屋根材であり、セメント瓦に比べ安価で葺き替え等のメンテナンスが容易であることが特徴です。
今回使用した塗料のダイヤスーパーセランフレックスは、株式会社ダイフレックスが販売する「水性・柔軟・透湿」タイプの無機塗料です。
一般的なシリコン塗料(有機塗料)などよりも汚れに強く、優れた柔軟性を備えており、特に戸建て住宅における塗り替えに最適な塗料といわれています。通常のシリコン塗料などよりも価格は高めですが、その分耐用年数も非常に長く、長期間にわたって塗り替え後の美観を維持することができるのも大きな特徴です。
2024.03.13
塗装でよく聞く「カチオン系」って何?カチオン系塗料の特徴やメリット・デメリットを解説!
塗料でよく聞く「カチオン」って何?
カチオンとは、プラスの電荷を帯びたイオンのことを指し、建設業界では、左官材料や防水剤の原料としてカチオンが使用されています。
建築現場で下地として使われるコンクリートやモルタルは、マイナスの電荷を帯びた陰イオンであるため、プラスの電荷を持つカチオンを用いることで、陰イオンと陽イオンが引き合い、下地の質が向上するのです。
カチオン塗料の特徴は「密着性」にある!
カチオン系塗料の最も重要な特性は、その優れた密着力です。
先ほど説明したように、陽イオンと陰イオンが引き合う性質を活用することで、非常に強力な密着力を発揮するため、外壁塗装の現場では主に下塗り材として多く使用されています。
特に陰イオンの性質を持つモルタル外壁やコンクリート外壁の下地処理に適しており、モルタル外壁の表面は凹凸があるのが一般的で、通常の下塗り材では塗料がしっかりと密着しないことがありますが、カチオン系塗料ならその特性を生かして確実に密着させることができるのです。
カチオン塗料のメリット・デメリットは?
最近需要が高まっているカチオン電着塗装には、メリットとデメリットがあります。以下では、その両面について説明します。
カチオンのメリットは「耐久性」と「塗装の均一性」!
カチオン電着塗装の最大の利点は、優れた耐食性と塗装の均一性です。
耐食性が高いのは、塗料の原料に使われているエポキシ樹脂の特性によるものです。エポキシ樹脂は水分や酸素を通しにくい性質があるため、錆の発生を防ぐ効果があるのです。また、塗装の均一性は、人の手で塗料を吹き付けるのではなく、化学反応によって被塗物の表面に塗料の固形分を析出させることで実現しており、この均一性ゆえに下塗り塗装としてもよく用いられるのです。
デメリットは「傷がつきやすい」こと
一方で、直射日光や紫外線にさらされると劣化しやすく、塗膜が柔らかいため、やや傷がつきやすいというデメリットもあります。
しかしこれらは、塗膜を厚くしたり、耐候性の高い塗料を上塗りしたりすることで防げますし、耐候性に優れた塗装として、アクリルカチオン電着塗装という塗装方法でもカバーが可能です。
塗装現場でよく使われる「カチオン系塗料」の種類
①:カチオンフィラー
カチオンフィラーは、下地の小さな凹凸やひび割れを修正し、滑らかな表面を作り出すための下地調整材です。カチオンフィラーは上塗りの寿命向上に加え、見た目も美しく仕上がる、下地の品質向上に欠かせない役割を果たしています。
また粘度が高く厚みを持つため、ダメージを受けた下地をシーラーよりも効果的に平滑にすることが可能です。
下記記事では「カチオンフィラー」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
②:カチオン樹脂モルタル
カチオン樹脂モルタルは、外壁塗装でよく用いられるモルタルの一種で、一般的には塗装の「下地補修」の際に使用されます。
そもそもモルタルというのは「マイナスの電気」を帯びているため、このカチオン樹脂と電子的に強く引き合います。もちろん従来のモルタルにも一定の強度はあるものの、付着力が弱く、クラック(ヒビ割れ)などが起こりやすいことからも、カチオン樹脂モルタルは非常に強い接着剤として重宝されているというわけです。
下記記事では「カチオン樹脂モルタル」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
③:カチオンRF
カチオンRFは、特に外壁塗装や塀塗装で使用する下地材です。こちらも外壁塗装を行うにあたって、下塗りする塗料と強固な接着性を発揮し、耐久性のある仕上がりを実現します。
下記記事では「カチオンRF」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
外壁塗装を長持ちさせるには「適切な下地補修」が必須!
お化粧でも下地塗りが大切なように、外壁塗装もただ”塗料を塗るだけ”では、末長く美観を保てる良い塗装とは言えません。そのため下地材を使って下地補修を行うことが不可欠なのです。
本記事で紹介した「カチオン樹脂モルタル」というのは、分子レベルの強固な密着を実現するため、一般的な塗料よりも強力な下地材として機能します。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、末長く美観を保てる外壁塗装を行います。
また外壁劣化の相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、ご自宅の外壁メンテナンス(塗装・塗り替え)ならお気軽にご相談ください!
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2024.04.01
オルガードマイルド(無機塗料)を使用して雨戸をピカピカにしました
今回、使用したのは「オルガードマイルド」という塗料です。
オルガードマイルドは無機塗料で、家の外観を美しく長期間保つことができる優れものです。
特に紫外線に強く、色あせしにくいため、外壁の見た目を長く維持でき、火災が起きた際の延焼を防ぐ効果もあり、非常に硬く丈夫なので傷にも強いです。
この塗料は一度塗るだけで、約25~28年間の耐久性を持ち、経済的かつ環境にも優しい選択肢と言えます。
雨戸は家の外見に大きく影響し、しばしば見過ごされがちな部分です。
今回はルーバータイプで枚数も多かったため、均一で美しい仕上がりを実現するために吹き付け塗装を採用しました。
この方法なら、手順をしっかり守ることで、塗装の跡が残らず、非常に綺麗な仕上がりが得られます。
ルーバータイプは、風通しと目隠し効果を兼ね備えた雨戸で、風が通り抜ける構造は、特に台風などの強風時に風の影響を和らげる効果を発揮します。
弊社では、雨戸などの付帯部分には劣る材料を使ってコストを抑えるといった手法を採用しません。
家全体が均等に経年変化するべきなので、雨戸にも外壁と同等の耐候性を持つオルガードマイルドを選択しています。
2024.03.08
【プロが解説】「カチオン樹脂モルタル」ってどういう素材?セメントやコンクリートとの違いも解説!
カチオン樹脂モルタルとは?
「カチオン樹脂モルタル」とは、外壁塗装でよく用いられるモルタルの一種で、一般的には塗装の「下地補修」の際に使用されます。
そもそもモルタルというのは「マイナスの電気」を帯びているため、このカチオン樹脂と電子的に強く引き合います。もちろん従来のモルタルにも一定の強度はあるものの、付着力が弱く、クラック(ヒビ割れ)などが起こりやすいことからも、カチオン樹脂モルタルは非常に強い接着剤として重宝されているというわけです。
つまり従来のモルタルに比べて優れた接着力を持ち、ひび割れにも強い、というのがこのカチオン樹脂モルタルの特徴というわけです。
そもそも「カチオン」って何?
カチオンとは、プラスの電荷を持つ陽イオンのことです。このプラス電荷を持つカチオンは、マイナスの電荷を持つ陰イオンであるアニオンと強く引き付け合う特性を持っています。
つまり外壁塗装などに使われる「カチオンシーラー」や「カチオンフィラー」は、この電気的な接着力を利用しています。
多くの建築材料がマイナスの電荷を持っているため、これらカチオン性の材料を用いることで、より強固な接着が可能になり、安定した下地を形成できるのです。このようにカチオン特性を活用することで、耐久性の高くい仕上がりを実現できるのです。
下記記事では、塗料に使われる「カチオン」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
一般的な「セメントモルタル」と何が違うの?
①:一般的な「モルタル」について
モルタルとは、セメントに細骨材を加え、水で練り合わせた建築材料を指し、この一般的な形態を「セメントモルタル」と呼びます。
細骨材の種類は地域によって異なり、川砂や山砂などが使用されます。これによってモルタルの色や性質が変わり、細骨材の粗さが仕上がりに影響を与えるため、用途に応じて荒目・中目・細目の砂が選ばれます。特に、左官仕上げでは、さらに細かくしたふるい砂が使われることがあります。
モルタルには石灰や石膏を用いたバリエーションが存在しますが、ここでは主にセメントモルタルに焦点を当てています。
②:「樹脂モルタル」について
一方で樹脂モルタルとは、セメントの代わりに樹脂を主成分として使用しているモルタルを指します。
樹脂モルタルは一般的なモルタルと比べて、接着力や曲げ強度が高く、モルタルならではの中性化防止や防錆効果も期待できます。他にも乾燥が早いことや軽量であること、弾力性によるひび割れ防止などの利点があり、補修材料としての性能に優れています。
特に、エポキシ樹脂や合成樹脂エマルション(アクリルやエチレン塩ビなど)を含むタイプは、防水性や止水性に富んでいます。
これらの特性により、特に大きな損傷を受けた個所の補修に適しており、コンクリート補修に広く利用されているのです。
コンクリート・セメントとの違いは?
コンクリートとは
コンクリートは、細骨材の成分によって「セメントコンクリート」、「アスファルトコンクリート」、「レジンコンクリート」の大きく3つのタイプに分類されます。
まず「セメントコンクリート」は、セメントと水を混ぜ合わせたもので、一般的な建築物や構造物に用いられています。
次に「アスファルトコンクリート」は、アスファルト、つまり石油化合物を使用して細骨材を固めたもので、主に道路建設に活用されます。
最後の「レジンコンクリート」は、樹脂を用いて固めることで耐久性や耐化学性が要求される特殊な用途に適しています。
セメントについて
「セメント」とは、灰色の粉末で、水などを加えることで接着したり硬化したりする特性を持つ建築に欠かせない素材です。
特に、多用される「ポルトランドセメント」は石灰石や粘土を主原料とし、熱処理後に石膏を混ぜて製造されます。この名前は乾燥後の特性が「ポルトランドストーン」に似ていることに由来しています。
セメント自体は直接建材としては使用されず、水を加え加工することでコンクリートやモルタルとなり、建築材料としての役割を果たします。粉末状のセメントは保管性や運搬性に優れているため、工事現場で直前に加工されることが多いですが、大量に必要な場合はミキサー車でセメントを混ぜながら運搬されます。
外壁塗装を長持ちさせるには「適切な下地補修」が必須!
お化粧でも下地塗りが大切なように、外壁塗装もただ”塗料を塗るだけ”では、末長く美観を保てる良い塗装とは言えません。そのため下地材を使って下地補修を行うことが不可欠なのです。
本記事で紹介した「カチオン樹脂モルタル」というのは、分子レベルの強固な密着を実現するため、一般的な塗料よりも強力な下地材として機能します。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、末長く美観を保てる外壁塗装を行います。
また外壁劣化の相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
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2024.03.08
外壁塗装の「カチオンフィラー」って何のこと?塗装に適した箇所まで解説!
カチオンフィラーとは?
外壁塗装において、下地の小さな凹凸やひび割れを修正し、滑らかな表面を作り出すための下地調整材を「フィラー」と呼び、特にカチオン性樹脂を加えたものを「カチオンフィラー」といいます。
詳しくは後述しますが、フィラーは上塗りの寿命向上に加え、見た目も美しく仕上がる、下地の品質向上に欠かせない役割を果たしています。
また粘度が高く厚みを持つフィラーは、ダメージを受けた下地をシーラーよりも効果的に平滑にすることが可能です。
他にもシーラーとフィラーの機能を兼ね備え、小規模なひび割れもカバーする能力を持つ「微弾性フィラー」などの種類があります。
カチオンフィラーの「カチオン」って何?
カチオンとは、プラスの電荷を持つ陽イオンのことです。このプラス電荷を持つカチオンは、マイナスの電荷を持つ陰イオンであるアニオンと強く引き付け合う特性を持っています。
つまり外壁塗装などに使われる「カチオンシーラー」や「カチオンフィラー」は、この電気的な接着力を利用しています。
多くの建築材料がマイナスの電荷を持っているため、これらカチオン性の材料を用いることで、より強固な接着が可能になり、安定した下地を形成できるのです。このようにカチオン特性を活用することで、耐久性の高くい仕上がりを実現できるのです。
下記記事では、塗料に使われる「カチオン」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
フィラー・シーラーの違いは?
外壁塗装において、フィラーとシーラーは異なる役割を果たしています
「シーラー」というのは、塗料の密着を強化しつつ吸い込みムラを防ぎ、下地を補強する「下塗り材」として使用され、塗膜の性能を最大限に引き出す効果があります。
一方「フィラー」というのは、下地の凹凸を滑らかにする「下地調整材」として使用され、目止め作用があり、顔料や骨材、セメントといった無機成分が含まれているため、高粘度な性質があります。
どちらも塗装工程で重要な役割を持ち、外壁の仕上がりに大きく寄与しているのです。
カチオンフィラーは「劣化コンクリート・モルタル外壁」に効果的!
カチオンフィラーは、コンクリートやモルタル製の床に適用される材料です。
主に下地が劣化したり、不均一になった箇所の補修や調整を目的に用いられ、塗料の密着性を向上させる効果があります。
この工程は、上から施される防水工事等の下地処理に相当し、化粧下地が肌を整えるように、表面を平滑に整える役割を果たしているのです。
【注意】アスファルトやアルミニウムには使用不可!
カチオンフィラーは外壁塗装において素材との相性があり、使用に適さない素材も存在します。
具体的にはFRP、アスファルト、ポリエステル、アルミニウム、ステンレス、亜鉛メッキされた表面、油分を含む表面、フッ素やシリコン樹脂系の仕上げ材、撥水材やワックスが塗布された面、軟質の素材等が該当します。
つまり外壁塗装というのは、業者による適切な下地処理、他の製品の選定が重要になるというわけです。
適切な下地補修で、末長く美しい外壁塗装を!
お化粧でも下地塗りが大切なように、外壁塗装もただ”塗料を塗るだけ”では、末長く美観を保てる良い塗装とは言えません。そのため下地材を使って下地補修を行うことが不可欠なのです。
本記事で紹介した「カチオンフィラー」というのは、分子レベルの強固な密着を実現するため、一般的な塗料よりも強力な下地材として機能します。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、外壁の素材・劣化状況にあわせた塗料選定で、末長く美観を保てる外壁塗装を行います。
また外壁劣化の相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、ご自宅の外壁メンテナンス(塗装・塗り替え)ならお気軽にご相談ください!
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2024.03.10
スーパーセランフレックスにて上塗りを施工していきます
塗装工事における中塗りと上塗りの色選びについてご紹介します。
一般的に、中塗りと上塗りは同じ色を使用します。しかし、中塗りと上塗りで異なる色を用いることで、塗り残しがないか容易に確認できるという方法もあります。ただし、時間が経過し塗装が劣化すると、異なる色を用いた場合、中塗りと上塗りの色の差がはっきりと現れることがあります。
弊社では、このような長期的な劣化による見た目の問題を避けるため、通常は中塗りと上塗りに同じ色を推奨していますもちろん、お客様が色を変更されたい場合にはその要望に応じますが、これまでに弊社の説明を聞いた後に色を変更されたお客様はいません。
上塗り時の塗り残しに関しては、乾燥前は色が異なるため、発生する可能性は非常に低いです。このように、塗装の品質を保つための工夫と、お客様の期待に応える柔軟性を併せ持つことが、弊社の特徴です。
2024.03.10
スーパーセランフレックスにて中塗りを施工しています
サイディング板にリシン吹き付け仕上げの既存壁を塗装する際の工夫と注意点についてご紹介します。
まず、リシン材の粗いテクスチャーを均一に覆い、その「頭」が透けて見えないようにするため、塗装時には丁寧に何度も塗り重ねる必要があります。これは、見た目の美しさと質感を保つために重要です。
特に、板と板の間の「サネ」と呼ばれる部分は、まず刷毛で塗装し、その後すぐにローラーで仕上げることで、均一な仕上がりを実現します。この二段階の工程は、サネの部分だけが光らないようにするために必要です。全体的に塗装工事を行う際には、このような細部にまで注意を払いながら進めることが、仕上がりの質を高める上で非常に重要になります。