外壁塗装でよく聞く「一側足場」って何?構造や特徴を詳しく解説!
2024.05.29
外壁塗装を行う際に使用される「一側足場(ひとかわあしば)」とは、建築現場での効率的な作業をサポートする足場設備の一つです。今回は、一側足場の構造や特徴、また関連する本足場(二側足場)について詳しく解説します!
一側足場の構造と適した設置場所
構造について
一側足場は建物の外壁に沿って設置される足場で、支柱(建地)を片側にだけ設置する形式です。
支柱にブラケット(持送り枠)を取り付け、その上に作業板を敷いて作業スペースを確保します。片側にしか支柱がないため、設置スペースが限られた場所でも利用しやすいという利点があります。
設置場所について
一側足場は、建物の外壁面に沿って支柱を1列設置し、その支柱にブラケットで作業板を固定する形式の足場なため、隣接する建物との距離が近い場所や、足場を組むスペースが限られている場所での設置に向いています。
また足場の仮設場所に撤去困難な障害物がある場合や、建物の外面の形状により1mに満たない隅角部を設ける必要がある場合に適しています。
さらに一側足場は、二側足場(ふたかわあしば)や枠組足場を設置するスペースが確保できない場合に使用されます。特に敷地が狭くて他の足場を組むことができない場合に選ばれることが多いです。
一側足場にも大きく2種類ある
①:くさび式足場
くさび式足場は、部材の接続部分に「くさび」という部品をハンマーで打ち込んで組み立てる形式です。このタイプの足場は設置や解体が簡単で、中低層建築工事に多く使用されます。
②:ブラケット付き一側足場
支柱にブラケットを取り付け、その上に作業板を敷き詰める形式の足場です。狭小地での使用が一般的で、設置スペースが限られた場所での外壁塗装に適しています。
今年4月から「本足場(二側足場)」の設置が義務に
2024年4月から施行される労働安全衛生規則の改正により、幅が1メートル以上ある箇所には原則として本足場(二側足場)を設置することが義務付けられました。これにより、一側足場の使用範囲が制限されることになります。
本足場(二側足場)とは縦方向の支柱を内側と外側に2本設置し、その間に作業板を通すタイプの足場のことで、作業者の転落・墜落事故防止のために、この本足場の義務化が施行されました。
「本足場の義務化」については、下記記事でより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 2024年4月から、厚生労働省による「本足場の義務化」に関する新しい規制が施行されます。これにより、建設現場…
【施主への影響は?】4月からの「本足場の義務化」の背景と変更点を解説!
一側足場のまとめ
外壁塗装において、一側足場は狭いスペースでも設置できる利便性の高い足場ですが、2024年4月からの労働安全衛生規則の改正により、一側足場の使用範囲が制限されることも考慮しなければなりません。
施主の皆さんは、依頼業者が「法改正に基づいた本足場の設置を行っているか?」を確認するようにしましょう。