雨漏りの原因に!外壁のクラック(ヒビ割れ)の危険性、修繕依頼の方法を解説!
ご自宅の外壁について「外壁にヒビ割れが見られるようになった…」というお悩みをよくいただきます。
この外壁に発生するヒビ割れを「クラック」といい、そのまま放置を続けると、さらに亀裂が広がり、そこから雨漏りやサビの侵食は始まってしまい、最悪のケースではご自宅の寿命を縮めてしまう恐れがあります。
ではご自宅のクラックを見つけたら、どのように対処すべきなのでしょうか?
本記事では、そもそもクラックとは何か、放置するとどうなってしまうのか、対策はあるのかについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
そもそも「クラック」とは?
外壁に発生するヒビ割れのことを一般的に「クラック」と呼びます。クラックとは英語で「裂け目、割れ目」を意味し、建築分野でよく使用される用語です。
クラックは外壁だけでなく、内壁や建物の基礎部分にも見られる現象で、主にモルタルやコンクリートの乾燥に伴う収縮によって生じます。これらの材料は乾燥する際に収縮する性質を持っているため、素材が収縮した結果、建材表面にクラックが発生してしまうのです。
クラックの種類は?
クラックというのは、その「進行度合い」によって種類分けされいます。ここからはクラックの種類(進行度合い)について詳しく解説していきます!
①:ヘアークラック
外壁の表面に生じる小さなひび割れを「ヘアークラック」といいます。これは髪の毛ほどの細さを持つ、幅※0.3ミリメートル以下、深さ4ミリメートル以下の小さなクラックであることが由来です。
ヘアークラックはモルタル製の外壁はもちろん、窯業系サイディングやコンクリート製の外壁にも見られます。ヘアークラックは外壁の表層部分に限局しており、建物の柱やコンクリート内部の鉄筋にすぐに影響を与えるものではありません。
そのため緊急に対処する必要はありませんが、外壁塗装で簡単に改善できるため、できるだけ早めの対応が望ましいです。
※目安:「シャープペンの芯」程度の細さ
②:構造クラック
構造クラックとは、建物の構造に影響を与える可能性があるため、迅速な対応が必要です。特に幅が0.3ミリメートルを超える場合、「外壁材の内部」からクラックが発生していることが多く、建物の強度に関わる問題として至急補修を行う必要があります。
構造クラックはヘアークラックなどの細かいひび割れとは異なり、建物の強度の低下や、雨水が浸入して外壁が劣化したり、さらには腐食の原因にもなり得るため、早急に専門の業者による点検とメンテナンスを行うことが重要です。
③:開口クラック
建物の外壁におけるヒビ割れの中でも、特に窓などの開口部近くで見られるものを「開口クラック」と言います。このタイプのクラックは、建物が受けるストレスや変形によって引き起こされることが多く、ヒビは斜めに走ることが一般的です。
開口クラックは外壁よりも若干突出しており、雨水がこの部分を通過することが多いため特に雨漏りの原因隣安いです。その結果、ヒビから雨水が内部に浸透し、雨漏りの原因になることがあります。このため、開口部近くのクラックも迅速な対応が必要なのです。
クラックが起こる4つの要因
ここまでクラックの種類について詳しく解説しましたが、そもそもクラックはなぜ起こってしまうのでしょうか?以下にて詳しく解説していきます。
経年劣化によるクラック発生
クラックが起こる最も一般的なのが「経年劣化」です。
外壁材、例えばサイディングボードやタイルの継ぎ目に使われる目地材(コーキングやシーリング材)は、紫外線に長期間晒されることで次第に弾力性を失い、劣化していきます。これにより、目地材が機能しなくなり、クラックが発生することがあります。
ただし、サイディング材自体が劣化してクラックが生じることは稀です。
また、サイディングボードを固定している釘の取り付け方法に不具合がある場合も、クラック発生の要因となります。外壁に使用される塗料も、紫外線の影響を受けて劣化し、それがクラックに繋がるのです。これらの要因を適切に管理し、適切なメンテナンスを行うことが、外壁の長持ちには不可欠と言えるでしょう。
外壁の乾燥によるクラック発生
材料の乾燥によってもクラックが発生します。特に、モルタルやコンクリートのような水分を含む建材は、乾燥によりクラックが生じやすい傾向にあります。
特に直射日光があたりやすい箇所では乾燥が早く進む傾向にありますので、クラックが発生したら、早急に塗装などの対応を行ってください。
地震などの揺れによるクラック発生
地震などの揺れによってもクラックが発生します。乾燥などとは異なり、そもそも建物に力が加わることで、外壁を構成するコンクリート、モルタル、タイルなどがその圧力に耐えられなくなりクラックが起こってしまうのです。
特にサイディングボードやタイルの継ぎ目の部分は、このような揺れに対して特に脆弱なため、ここからクラックが発生しやすい傾向にあります。
材料の馴染みが悪い
モルタルの塗り重ねが行われる際、既に乾燥した部分に新たに塗ると、材料同士が適切に結合せず、クラックが生じやすくなります。また、相性の悪い材料の組み合わせ、例えば塩化ビニール系の素材とモルタルを使用すると、これもクラックの原因となりえます。
雨漏りの原因に!クラック放置によって起こるリスク
細かなクラックは見過ごされがちですが、これらを放置するとご自宅の健康状態に悪影響を及ぼします。まずクラックを放置すると、そこから雨水が侵入し、家の構造的強度に影響を与えてしまいます。
また雨漏りが発生すると、以下のようなリスクも増えてしまうのです。
- 外壁の内部に湿気が増え、シロアリが発生してしまう。
- 湿気のために外壁内部が劣化し、家全体の強度が低下する。
- 強度低下により、地震時の崩壊リスクが高まる。
- 雨漏りにより、室内の壁や天井にシミが発生する。
- 外壁材の落下リスクが生じる。
特に注意すべきは、クラックから雨水がコンクリート内部に浸透し、鉄筋の錆を引き起こすことです。この錆は、構造に直接影響を及ぼす可能性がありますし、基礎の強度が低下してしまう恐れさえあるのです。
外壁サビが引き起こすリスクについては、下記記事でも詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
ご自宅の外壁にサビを見つけた際、どう対処していいかわからず「とりあえず擦って落とす」という処置を行う方も…
ヒビ割れの原因に!外壁サビ(錆)放置のリスク・落とし方までプロが解説!
クラックを見つけた際の対処法は?
当然ですが、外壁のクラックを発見した際の対処法は重要です。ここからは、クラックを見つけた際の対処法について、
- 自分で修繕する方法
- 業者に依頼する方法
の2つに分けて、詳しく解説していきます!
自分で修繕する方法
まず、自分でできる対処法についてです。ヘアークラックなどの小さなものであれば、専用のシーラントや補修材を使用して自分で応急処置することが可能です。市販されている外壁用の補修キットを利用し、クラックの幅や深さに応じて適切な材料を塗り込みます。
また作業はあらかじめクラックの部分を清掃してから行うようにしましょう。
業者に依頼する方法
先に解説したような「構造クラック」や各所にクラックが発生しているとき、またご自身では判断がつかない場合は、まずは塗装業者などの専門業者に調査を依頼してください。
塗装業者に依頼する場合、まずはクラックの状態を詳細に診断します。クラックが浅い場合、深い場合、または構造的な問題がある場合で、処置方法は異なります。
浅いクラックの場合
浅いクラックの場合は、まずクラックの部分をきれいに掃除し、不純物を取り除きます。その後、適切なシーラント材を用いてクラックを埋め、外壁の保護層を再構築します。
この処理ではクラックからの水の侵入を防ぎ、さらなるクラック発生・損傷を防止します。
深いクラックと診断した場合
深いクラックや構造的な問題がある場合は、クラックの原因を特定し、必要に応じて補強工事や構造的な修正を行います。
たとえば補強材の挿入や、外壁全体の強化などを踏まえた修繕を行い、最終的に外壁を再塗装します。これにより、修繕箇所を目立たなくし、外壁全体の美観と耐久性を向上させます。
再塗装というのは、ただ外観を整えるだけでなく、外壁を気候条件から守る重要な役割も果たします。つまり単にクラックを修繕するだけでなく、建物の構造的な安全性を保ち、将来的な損傷を防ぐために重要な作業というわけですね。
外壁のクラック(ヒビ割れ)を見つけた際には、ご自身で迷わず、まずは塗装業者に確認依頼をするようにしましょう。
外壁のクラックに関するよくある質問
Q: 外壁にクラックが見つかった場合、すぐに修理する必要がありますか?
A: ヒビ割れの大きさや深さによります。細かいヘアクラックであれば、すぐに大きな問題になることは少ないですが、ヒビが広がっている、深い、または建物の構造に影響を与えている可能性がある場合は、早急に専門家に相談することをお勧めします。
Q: 外壁クラックの原因は何ですか?
A: 主な原因には、建物の自然な沈下、温度変化による材料の収縮・膨張、建築材料の劣化、構造上の問題、地震や外部からの衝撃などがあります。
Q: クラックを自分で修理できますか?
A: 小さなヒビ割れであれば、適切な材料と手順を用いて修理することが可能です。しかし、大きなヒビや構造的な問題が疑われる場合は、専門家に依頼することが安全です。
Q: クラックを防ぐためにはどうすればいいですか?
A: 定期的な外壁の点検とメンテナンスが重要です。建物の沈下や材料の劣化を早期に発見し対処することで、大きなヒビ割れを防ぐことができます。
Q: どのようなクラックが危険ですか?
A: 構造的な要素に影響を与える大きなクラック、急速に広がるクラック、ドアや窓の周囲に発生するクラックは、建物の安全に関わる可能性があります。
本記事でも解説した通り、クラックは経年劣化や乾燥などによって簡単に発生してしまう反面、放置しておくと美観だけでなく、お家そのものの機能低下に大きく関わってきてしまいます。
もちろん軽微なものであればご自身で対応できることもありますが、後になって「補修が不十分だった…」となってしまわないよう、クラックを見つけたら、まずはお近くの塗装業者に確認を依頼するようにしてください。
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、ご自宅のクラック状況をご報告します。
相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、クラックをはじめ外壁のヒビ割れを見つけたら、まずはお気軽にご相談ください!