ハイブリッド塗料とは?メリット・デメリットや代表的な塗料もご紹介!
2023.06.02
ハイブリッド塗料とは?
ハイブリッド塗料とは、外壁塗装などで一般的に用いられている石油などの有機物を主成分とした「有機塗料」と、石やガラス、金属などと同じ無機物を主成分とした「無機塗料」を合わせて作られた塗料のことです。
無機塗料は有機塗料と異なり、耐候性が高く、汚れに強い特徴がありますが、一方で有機塗料よりも「塗料が固くて割れやすい」といった欠点もありました。そこでハイブリッド塗料と呼ばれる、有機・無機それぞれの良さをあわせ持った塗料が完成したというわけなのです。
※主に無機塗料に有機成分を配合するため、「無機ハイブリッド塗料」と呼ばれることもあります。
有機塗料・無機塗料の詳しい特徴については、ぜひ下記記事もあわせてご覧ください! 有機塗料・無機塗料の違いって何?
「有機」とは、加熱すると燃える炭素を含む化合物のことで、有機塗料は主…
有機・無機塗料の違いは?メリットやデメリット、ハイブリッド塗料も解説!
ここからはハイブリッド塗料のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します!
ハイブリッド塗料のメリットは?
汚れに強く、光沢感が長持ち
ハイブリッド塗料は、水によく馴染む「親水性塗料」であるため、もし汚れが付着してしまったとしても雨水によって洗い流されやすく、汚れがつきにくい特性があります。また一般的な有機塗料と比べて、塗装面に均一にかつ隙間なく密着してくれるため、滑らかで光沢感のある美しい外壁に仕上がるのです。
一般的な塗料と比較して、高い耐久性を発揮
ハイブリッド塗料の最大の魅力はその「耐久性の高さ」にあり、特に外壁にとってダメージのもととなりやすい紫外線や熱に対する耐性が評価されています。ハイブリッド塗料には無機成分が非常に多く含まれており、ガラスや石が何十年も紫外線に晒されてもほぼ劣化しないのと同様に、この塗料も劣化しにくいというわけなのです。
有機塗料として一般的に使用されるシリコン樹脂塗料の耐用年数は、おおよそ10~15年程度、フッ素樹脂塗料は15~20年程度とされているのに対し、ハイブリッド塗料の耐用年数は約20年以上も持つとされているのです。そのため、一度の塗装で長期間の持続性を求める方や、高耐久性の塗装を望む方には特に人気の高い塗料となっているわけですね。
万一の火災時にも燃えにくい
ハイブリッド塗料は無機物(不燃性の材質)が多く含まれているため火に強く、万一の火災の際にも燃え広がりのリスクを大きく低下させてくれます。一般的な有機塗料(有機物)であれば、燃えると二酸化炭素が発生し、炎の燃え広がりがさらに加速してしまいます。しかしハイブリッド塗料であれば、無機物の燃えにくい性質を活かして、燃え広がりを防ぐというわけなのです。
しかし無機塗料やハイブリッド塗料といっても、100%無機物なわけではなく、わずかながら有機成分も含んでいます。そのため「全く燃えない」というわけではないことは覚えておきましょう。
カビ・コケが繁殖しにくい
ハイブリッド塗料は、一般的な有機塗料と比べてカビやコケ、藻などの雑草が繁殖しにくい性質(防カビ・防藻性)を持っています。一般的な有機塗料というのは、カビやコケなどの栄養分である有機物の含有量が多いのに対し、有機塗料はその量が非常に少ないからです。
もちろん完全に滅菌するわけではありませんが、カビやコケは建物の見た目を悪くしてしまいますし、根を張ることで建材自体を傷めてしまう恐れもあります。そこでハイブリッド塗料を使うことによって、見た目を綺麗に保つこともでき、壁や屋根の素材そのものも保護することができるのです。
ハイブリッド塗料のデメリットは?
信頼できる施工業者が必要
ハイブリッド塗装は比較的新しい素材であるため、まだ取り扱いを行っていない施工業者も多いのが現状です。そのため「依頼したくてもなかなか頼めない」といった状況が多いのも事実なのです。
当社で使用している塗料の種類については、下記ページからご覧ください!
ツヤ消しができない
もともと無機物特有の光沢があるハイブリッド塗料は、塗装後のツヤ消しが難しい塗料となっています。そのため塗装後の仕上がりや質感については、施工前に確認しておきましょう。
施工コストが高い
ハイブリッド塗料の金額は、一般的な有機・無機塗料よりも価格が高く、施工を依頼する場合には施工費用も高くなってしまいがちです。しかし耐久年数や再塗り替えのコストなどを考えると、費用対効果は非常に良い塗料といえるでしょう。一般的な塗料での施工と比較する際には、金額面だけでなく、ハイブリッド塗料の長所や耐用年数でも比較しましょう。
評価の高いハイブリッド塗料は?
AQシールド ナノグラスシリーズ(株式会社AQ)
『AQシールド ナノグラスシリーズ』は、グラスバリアーシリーズの特別なプライマーとして利用可能な2液硬化型ハイブリッド塗料です。モルタルなどに対して卓越した接着性を持つ「ナノグラス」や「ナノグラス金属用」そして「防火バリアー」などを含む一連の製品を提供しています。このシリーズは、様々な素材への対応や長寿命を目指す再塗装仕様など、多岐にわたる用途に適応することが可能です。
アートフレックスSi・F(SICコーティングス株式会社)
アートフレックスSiは、ハイブリッド塗料として20年以上もの耐候性を持ちながら、シリコン樹脂塗料の性質もあわせ持っています。塗膜が硬化すると、その表面は無機成分となり、これにより劣化しにくくなるだけでなく、紫外線に対する抵抗力も強くなります。さらに、無機成分を含むにもかかわらず高い弾性を保つという特性を持つため、防水塗膜の上にも施工することが可能です。
COWS-N(京浜蓄電池工業株式会社)
『COWS-N(カウス-エヌ)』は、木材を守るための有機複合セラミックを使用した、常温硬化ガラス技術を活用した水性無機ハイブリッド塗料です。この塗料は水性であるにもかかわらず、溶剤系塗料に匹敵する、またはそれを超える硬さと耐候性を提供します。さらに、経時劣化が進んだ既存の木材には、天然の植物成分を用いた洗剤「WOODr.(ウッドアール)」を使用して洗浄することで、防カビと防蟻効果をもたらしつつ、木材にリフレッシュ効果をもたらすことができます。
ダイヤスーパーセランフレックス(株式会社ダイフレックス)
ダイヤスーパーセランフレックスは、株式会社ダイフレックスが販売している「水性・柔軟・透湿」特性を持つ「無機塗料」で、一般的なシリコン塗料(有機塗料)と比較すると、汚れに対する抵抗力が強く、また、優れた柔軟性を持つ特徴があります。
ダイヤスーパーセランフレックスに関する詳しい内容は、下記記事もあわせてご覧ください!
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素人でもわかる!ダイヤスーパーセランフレックスの評判や耐用年数、施工事例を徹底解説!
塗装デザインを選ぶように、
「塗料の性能」にもこだわりを
塗装デザインは入念に検討すると思いますが、「塗料」については施工業者に一任しているという方も多いのではないでしょうか。もちろん信頼できる施工会社にまるっとお任せすることも悪くはありませんが、提出された見積りに自分自身で納得するためにも、塗料の特徴についてもある程度知識をつけた状態で、依頼する施工業者と相談ができるとベストですね!
当社では、お客様に「本当に納得いただける塗装」のみを行うため、お見積りのご提出はもちろん、行う塗装工程や使用する塗料についてもしっかりとご説明させていただきます。
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