【プロが解説】「カチオン樹脂モルタル」ってどういう素材?セメントやコンクリートとの違いも解説!
2024.03.08
カチオン樹脂モルタルとは?
「カチオン樹脂モルタル」とは、外壁塗装でよく用いられるモルタルの一種で、一般的には塗装の「下地補修」の際に使用されます。
そもそもモルタルというのは「マイナスの電気」を帯びているため、このカチオン樹脂と電子的に強く引き合います。もちろん従来のモルタルにも一定の強度はあるものの、付着力が弱く、クラック(ヒビ割れ)などが起こりやすいことからも、カチオン樹脂モルタルは非常に強い接着剤として重宝されているというわけです。
つまり従来のモルタルに比べて優れた接着力を持ち、ひび割れにも強い、というのがこのカチオン樹脂モルタルの特徴というわけです。
そもそも「カチオン」って何?
カチオンとは、プラスの電荷を持つ陽イオンのことです。このプラス電荷を持つカチオンは、マイナスの電荷を持つ陰イオンであるアニオンと強く引き付け合う特性を持っています。
つまり外壁塗装などに使われる「カチオンシーラー」や「カチオンフィラー」は、この電気的な接着力を利用しています。
多くの建築材料がマイナスの電荷を持っているため、これらカチオン性の材料を用いることで、より強固な接着が可能になり、安定した下地を形成できるのです。このようにカチオン特性を活用することで、耐久性の高くい仕上がりを実現できるのです。
下記記事では、塗料に使われる「カチオン」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください! 塗料でよく聞く「カチオン」って何?
カチオンとは、プラスの電荷を帯びたイオンのことを指し、建設業界では…
塗装でよく聞く「カチオン系」って何?カチオン系塗料の特徴やメリット・デメリットを解説!
一般的な「セメントモルタル」と何が違うの?
①:一般的な「モルタル」について
モルタルとは、セメントに細骨材を加え、水で練り合わせた建築材料を指し、この一般的な形態を「セメントモルタル」と呼びます。
細骨材の種類は地域によって異なり、川砂や山砂などが使用されます。これによってモルタルの色や性質が変わり、細骨材の粗さが仕上がりに影響を与えるため、用途に応じて荒目・中目・細目の砂が選ばれます。特に、左官仕上げでは、さらに細かくしたふるい砂が使われることがあります。
モルタルには石灰や石膏を用いたバリエーションが存在しますが、ここでは主にセメントモルタルに焦点を当てています。
②:「樹脂モルタル」について
一方で樹脂モルタルとは、セメントの代わりに樹脂を主成分として使用しているモルタルを指します。
樹脂モルタルは一般的なモルタルと比べて、接着力や曲げ強度が高く、モルタルならではの中性化防止や防錆効果も期待できます。他にも乾燥が早いことや軽量であること、弾力性によるひび割れ防止などの利点があり、補修材料としての性能に優れています。
特に、エポキシ樹脂や合成樹脂エマルション(アクリルやエチレン塩ビなど)を含むタイプは、防水性や止水性に富んでいます。
これらの特性により、特に大きな損傷を受けた個所の補修に適しており、コンクリート補修に広く利用されているのです。
コンクリート・セメントとの違いは?
コンクリートとは
コンクリートは、細骨材の成分によって「セメントコンクリート」、「アスファルトコンクリート」、「レジンコンクリート」の大きく3つのタイプに分類されます。
まず「セメントコンクリート」は、セメントと水を混ぜ合わせたもので、一般的な建築物や構造物に用いられています。
次に「アスファルトコンクリート」は、アスファルト、つまり石油化合物を使用して細骨材を固めたもので、主に道路建設に活用されます。
最後の「レジンコンクリート」は、樹脂を用いて固めることで耐久性や耐化学性が要求される特殊な用途に適しています。
セメントについて
外壁塗装を長持ちさせるには「適切な下地補修」が必須!
お化粧でも下地塗りが大切なように、外壁塗装もただ”塗料を塗るだけ”では、末長く美観を保てる良い塗装とは言えません。そのため下地材を使って下地補修を行うことが不可欠なのです。
本記事で紹介した「カチオン樹脂モルタル」というのは、分子レベルの強固な密着を実現するため、一般的な塗料よりも強力な下地材として機能します。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、末長く美観を保てる外壁塗装を行います。
また外壁劣化の相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
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