モニエル瓦って何?セメント瓦との違いや価格相場まで解説!
モニエル瓦って何?
モニエル瓦とはヨーロッパで生まれたセメント製の屋根材で、主にセメントと川の砂を組み合わせた「乾式コンクリート瓦」です。モニエル瓦の表面には、色をつけるための特殊なセメント着色剤が塗布され、保護のためアクリル樹脂の透明塗料で仕上げられています。
モニエル瓦は施工がしやすく、水の侵入を防ぐ防水性能、温度変化に強い断熱性能、地震に対する耐震性能が高いことが特徴で、デザインの選択肢も豊富で、様々な建物にマッチします。
モニエル瓦の特徴は?
耐震性に優れている
モニエル瓦は、軽量でありながら強固な耐震性を持っていることが大きな特徴です。
従来の粘土・セメント瓦よりも軽いコンクリート製であるため、地震時に建物への負担を軽減し、破損や倒壊のリスクを低減させることが可能です。この軽量性が、安全で安心な屋根材としての信頼性を高めるのです。
断熱・防水性が高い
モニエル瓦に使用されいている「着色スラリー」や「アクリル樹脂系塗料」は、直接外的要因にさらされる屋根にとって、高い断熱性・防水性を与えてくれます。
これにより屋根下の温度を快適に保ちながら、雨水の侵入を防いだり、居住空間の快適性と耐久性を与えてくれるのです。
デザイン性の高さ
モニエル瓦は機能性の高さだけでなく、「色彩豊かな外観(デザイン性)」も特徴です。
和型から洋型までさまざまなデザインがあり、建物の雰囲気に合わせた色や形状を選択できます。この高いデザイン性により、建築物の美観を高めると同時に、個性的な表情を作れるというわけです。
セメント瓦とモニエル瓦の違いは?
日本の住宅瓦の種類には、モニエル瓦とは別に「セメント瓦」があります。
ここからは「モニエル瓦とセメント瓦の違い」について詳しく解説していきます!
1. 「スラリー層」の有無
モニエル瓦はその独特な外観を生み出すために、着色されたセメントの「スラリー層」という箇所をを厚く塗布し、その上にアクリル樹脂系の透明な塗料で保護しています。
このスラリー層により、色彩豊かで耐候性に優れた屋根材となっています。
2. 小口(切断面)の加工の違い
モニエル瓦の小口(切断面)は、砂利が混ざっているためザラザラとした凹凸があります。
セメント瓦は小口が滑らかで、均一な質感なのに対し、モニエル瓦このザラザラとした凹凸のおかげで、耐久性や質感が大きく向上するというわけです。
以上の違いから、モニエル瓦は耐候性や装飾性に優れ、独特の風合いを持つ屋根材として、セメント瓦とは一線を画しています。選択する際は、これらの特性を考慮することが重要です。
モニエル瓦の「2つの強み」とは?
耐震性に優れている
モニエル瓦は、セメントと砂を主材料としており、伝統的な粘土製の瓦よりも軽量である点が特徴です。
この軽さが、地震時における建物への負担を軽減し、耐震性を高める要因となります。屋根の重量は建物の耐震性において重要な考慮事項であり、モニエル瓦はその点で有利な選択肢と言えるでしょう。
軽量でありながら、強度も保持しているため日本のような地震が多い地域に適した建材として推奨されているのです。
デザイン性が高い
モニエル瓦のもう一つの大きな魅力は、そのデザイン性の高さにあります。特有の「着色スラリー」という接着剤層によって、鮮やかで豊富な色彩の塗装が可能になり、建物の外観を美しく彩ります。
また、モニエル瓦は形状のバリエーションが豊富で、S型や平形などの異なる形状から選択できるため、和風、洋風を問わず様々な建築スタイルにマッチし、オリジナリティあふれるデザインを実現できます。
このようにモニエル瓦は、耐震性だけでなく、外観の美しさにも寄与する、機能性と美観を兼ね備えた建材です。
モニエル瓦の弱点は「メンテナンスの難しさ」
モニエル瓦というのは、外資系「モニエル社」が製造・販売していた瓦です。このモニエル社は2010年に日本市場から完全撤退してしまったため、現在では葺き替えなどのメンテナンスが難しくなってしまいました。
またモニエル瓦のメンテナンスには、先に解説したセメント瓦とは異なる塗料などを使用しなければならないため、「セメント瓦はOKだけど、モニエル瓦は塗り替えメンテナンスができない」という塗装業者が多くあるのです。
下記記事では、モニエル瓦の詳しいメンテナンス方法について解説していますので、こちらもあわせてご覧ください! そもそもモニエル瓦って何?
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【プロが解説】モニエル瓦屋根のメンテナンス方法は?塗装・葺き替えの費用相場も解説!
モニエル瓦の塗り替え・塗装費用はどれくらい?
塗装する場合
塗り替え・塗装の場合の費用感は、おおよそ40〜100万円程度。この費用には、モニエル瓦の特性に合った下塗りや高圧洗浄などが含まれています。
葺き替えの場合
瓦そのものを葺き替える場合は、150〜200万円程度となることが一般的です。これは、既存の屋根材の処分にかかる費用や、新しい屋根材への交換費用が含まれるためです。
それぞれ現状の劣化状況や、塗り替え・葺き替えを行う面積によっても異なりますから、まずは無料診断を通して、正確な見積もりをもらうようにしましょう。
すべての瓦屋根で「同じ修繕方法」はNG!
素材にあわせた適切なメンテナンスを
本記事でも紹介した通り、モニエル瓦は軽くてデザイン性が高い反面、生産終了していることからも、そもそもメンテナンスを受け付けていない業者が多いです。
当然ですが、モニエル瓦とセメント瓦屋根の塗装方法は異なります。「瓦屋根の塗り替えもできますよ!」という塗装会社であっても、そもそもモニエル瓦の塗り替えが可能なのか?を、確認するようにしましょう。
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、ご自宅の瓦の種類・劣化状況をご報告します。
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